スタジオ☆ディーバ主宰 山口直也

最近就活でもスナップ写真を求められるケースが増えてきました。スナップ写真とは何か、何故それが求められるのか、どのように対処すべきかを考えてみましょう。

★「スナップ写真」とは。業界で慣用的に使われる場合はスナップサイズの写真のことです。写真館では台紙に入れるような引き伸ばした写真ではなく、手札(正確に言うと今はこの大きさのサービス版はありませんが)サイズの写真を言います。ですから一般の写真館でスナップ写真を頼むとスタジオ内での撮影で、しかも古典的なポーズのサービス版の写真が渡されたりします。これは屋内、屋外を問いません。
 また、歴史的に言うと、カメラの発達に伴って、比較的小さなカメラで時間をかけずに、簡単に撮った写真を指す場合があります。これも屋内、屋外を問いませんが、ストロボが使えるようになる前は、暗い屋内ではよく写りませんから屋外のものが多かったわけです。必然的にあまり構えない日常的な写真が多く残されました。
 一般的にはこれらを総合してどこか日常性の感じられる自然なサービスサイズの写真を、スナップ写真と呼ぶ場合が多いと思います。
 以上の点を踏まえると、単にスナップ写真という指定の場合は、写真館やスタジオ内の写真で全くOKです。ただし「スタジオ撮影でないもの」という指定がついた場合には、勿論、自宅室内でも良いのですが、できれば屋外で撮影したような、あまり構えていない日常的で自然な雰囲気の写真が良いと思います。

 最近就活でスナップ写真が求められるのは、この日常的な姿を見たいという採用者側の目的があるわけです。それは何故かと言いますと例えば、アナウンサー受験とか、CA受験とかは、以前は自分達で撮ったスナップ写真が普通だったのです。ですからそんな中で、スタジオでちゃんと撮ったものは、お金もかかりますし、きちんとしている、やる気がある、などと評価されたものです。勿論、現在でもそういう見方は健在ですが、アナウンサー受験やCA受験では、現在スタジオで撮影する人がむしろ一般的になってしまいました。そこにはプロの演出が入るわけですから、大抵は、普段よりも良い状態で写っていますので、採用者側は騙される事がしばしばです。これは実際、採用担当者の方々とお話していて言われる事ですが、「ディーバさんの写真を見ると、全員呼びたくなってしまうので困るのです」というのです(これは本当の話です)。普通だったら写真によって一次書類審査で落とすので当然呼ばなくて済んだ人を、面接に呼ばなければならなくなり、手間が増えて迷惑だというのです。ですからプロの演出がなるべく入らないもので、駄目な部分がはっきり写っている写真が見たいという訳です。勿論、エントリーシートの中身が大切なのですが、アナウンサーやCAの試験は競争率も高く、はっきり言って落とすための試験という要素が強いのですから、上記のような観点も当然出てくるのでしょう。
 しかし、あくまでも私達は受験生であるお客様の味方ですから、何とか皆様が面接まで進むお手伝いをしたい、パーソナリティーで勝負してもらいたいとの願いのもとに、スナップ写真も、技術を尽くし誠心誠意、撮影してきました。その結果、局内定者、エアライン内定者の多くがディーバのスナップ写真を担当者にほめられましたと報告してくれています。
 これまで、ディーバでは、皆様がお持ちになったスナップ写真の診断を無料で行ってきました。その経験から言いますと、あまりに「正直」に「普段通りの自分」を写した写真で書類通過のプラス要因にできる方は、むしろ非常に少数だというのが事実です。単純に技術的な失敗、杜撰な性格を露呈してしまった背景、下品なメイク、ジャラジャラのブランド品との記念写真、そして綺麗に撮れているようでも「私は女優」状態の勘違い写真まで。「敵」の術中にはまってしまったスナップ写真のなんと多いことでしょう。素人の方ほど簡単に考えるのですが、スナップ写真は意外と撮影するのが難しいものなのです。
 何をしたら駄目かを知った上で、その人の良い面、魅力的な面を自然に表現するには、むしろ周到な計算が必要になってきます。何気なく立っているだけに見えるような写真でもディーバが撮る場合は、隅々にまで気を配っています。

 では、どのようにすれば良いスナップ写真が撮れるのでしょうか。一口にスナップ写真といっても分野によって、全くその技術も感性も異なります。CA受験用の場合、アナウンサー受験の場合、女優の場合、モデルの場合、お見合い用の場合、等、これら各々には全く異なったコンセプトと技術とが必要なのです。
 次回からは、各々の分野についてそのエッセンスを詳しく述べていきたいと思います(企業秘密の部分もありますので具体的なことは、撮影予定の方に限りお問い合わせ下さい)。ご期待下さい。

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